福徳寺(大鹿村)概要: 医王山福徳寺は長野県下伊那郡大鹿村大字大河原に境内を構えている天台宗の寺院です。福徳寺の創建は平治2年(1160)に開かれたのが始まりとされます。現在の本堂は鎌倉時代に建てられたと推定される建物で入母屋一重、こけら葺、桁行3間、梁間3間、所謂阿弥陀堂建築と呼ばれる形式で当時の時代背景が感じられます。建築には宗良親王や香坂高宗などが関わったと考えられ歴代領主からも信仰されていました。
江戸時代後期の天保10年(1839)には幕府の老中だった水野忠邦が浜松へ移設しようとしましたが周囲の住民に反対されて頓挫、これには福徳寺本堂の扉を昼間に開けると不幸災難が起こると信じられてきたからです。堂内には慈覚大師が自ら彫り込んだと伝わる薬師如来像、毘沙門天像、観世音菩薩像、阿弥陀如来像の4体の仏像が安置され伊那坂東三十三観音霊場二十一番札所としても信仰を集めています。
中でも室町時代に制作された毘沙門天像・聖観世音菩薩像は昭和61年(1986)に大鹿村指定文化財に指定されています。福徳寺本堂は長野県最古の建築物として大変貴重な事から明治45年(1912)に国指定重要文化財に指定されています。山号:医王山。寺号:福徳寺。宗派:天台宗。本尊:薬師如来。
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