照光寺(諏訪湖・岡谷市)概要: 城向山照光寺は長野県岡谷市本町に境内を構えている真言宗智山派の寺院です。照光寺の創建年は不詳ですが平安時代に編纂された延喜式の中で岡屋牧が記されていることから早い時代から開かれた地域で中心的な寺院だったと考えられています(秘仏である薬師如来像には白鳳3年:675年の銘)。その後、衰退したようですが室町時代の応永2年(1395)に諏訪大社下社神宮寺の憲明法印が中興し、宝徳4年(1452)に諏訪大社下社秋宮の神宮寺一等末寺のとなった事で寺運が隆盛し、最盛期には12坊を擁し、文明年間(1469〜1486年)には今井兵部兼貫により堂宇が再建されています。戦国時代に兵火を浴び一時衰退しその後再興され、明治時代初頭に発令された神仏分離令により神宮寺が廃寺となり、神宮寺の仏像や仏具の一部が照光寺に遷されています。山号:城向山。院号:瑠璃院。宗派:真言宗智山派。本尊:金剛界大日如来。
伊那諏訪八十八霊場第17番札所(札所本尊:大日如来)。伊那諏訪八十八霊場第19番札所(札所本尊:千手観音※元々は諏訪大社下社の神宮寺でしたが廃寺となった為、照光寺が引き継いでいます)。諏訪三十三観音霊場第31番札所(札所本尊:千手観音)。諏訪霊場百番札所西第24番札所(札所本尊:千手観音※元々は諏訪大社下社の神宮寺でしたが廃寺となった為、照光寺が引き継いでいます)。諏訪霊場百番札所西第11番札所(札所本尊:薬師如来)。中部四十九薬師霊場第11番札所(札所本尊:薬師如来)。
現在の照光寺本堂は天明8年(1788)の火災で焼失後の寛文5年(1792)に再建されたもので寄棟、銅瓦棒葺(元茅葺)、桁行9間、梁間6.4間、棟梁は大隈流、柴宮長左衛門矩重、岡谷市を代表とする寺院建築として平成15年(2003)に岡谷市指定有形文化財に指定されています。境内にはその他にも弘化3年(1846)に建立された三門(山門)や文政9年(1826)に建立の薬師堂、明治36年(1903)建立の開山堂、昭和9年(1934)建立の蚕霊供養塔(高さ40尺、木造重層、鋼板葺、岡谷市指定文化財)などの古建築があります。
照光寺は寺宝も多く木造大日如来坐像 が長野県県宝に指定されている他、胎蔵界大日如来像 、金剛界大日如来、弘法大師像、興教大師像、磐、木喰作不動明王像、木喰作大日如来画像、五点阿字軸、守屋貞治の石仏、千手観音・不動明王・毘沙門天が岡谷市指定有形文化財に指定されています。
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