小諸宿本陣主屋概要: 小諸宿は慶長16年(1611)に北国街道の宿場町として開かれた宿場町で、大名の参勤交代での宿泊や休息、善光寺(長野県長野市)への参拝客などで栄えました。小諸宿本陣では加賀藩(藩庁:金沢城)の藩主前田家などの諸大名や京都の公卿が利用した施設でむくり付きの玄関庇や式台、大広間、床の間、上段の間などに格式の高さを感じさせてくれます。間取りは正面中央に式台付玄関、その奥に板張の廊下を経て21帖の大広間、その右側は土間の台所、左側は10帖の控の間が2室、その奥に10帖の上段の間が2室連続し次の間が配され、上段の間から入側(畳敷の廊下)、板敷の廊下を経て中庭が眺められるようになっています。又、上段の間に隣接し利用者専用の雪隠と湯殿が設けられています。
小諸宿本陣主屋の建物は18世紀末から19世紀初頭に建てられた木造平屋建て、切妻、桟瓦葺き、外壁は真壁造白漆喰仕上げ、当初は北国街道沿いの旧小諸宿本陣(問屋場)に隣接して建っていましたが、明治時代に入ると街道制度が廃止になった事に伴い施設が利用されなくなり、明治11年(1878)に佐久市内にある桃源院に移築され本堂や庫裡として使用されました。平成7年(1995)に桃源院の堂宇が改修する事で小諸市に寄贈され現在地に移築保存されています。現在は歴史資料館として整備されており内部が一般公開されています。
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